今日の本
これを読みました。
2006年頃でちょっと古い本ですが、会議の仕方は普遍的な話なので、古いのは気にしません。
職場で会議の改善・時間短縮を行おう!っていう話が出て、私が企画をする
図書館で見つけて、パラパラ読んでみて一目惚れで借りました。
最近は本を読むのが楽しすぎて、ペースが早いです。
全体について
今後に活かせるポイントがいろいろ詰まった本でした!
いろいろと詳しいテクニックまで記載してあり、筆者の想いが感じ取れました。
筆者は自称「トリプルキャリア」といって、①教師→②ベンチャー営業マン→②NPOという、3つのキャリアを歩んできた方です。今は会議ファシリテーターを養成するプロとして活動しているようです。
一般的に良いとされていることはダメだ!という意外性もあり、読んでいてわくわくしました。例えば、会議は楽しいとか、会議で議論しないとか、進行役は意見を整理しないとか、です。
以下、私の印象に残ったポイントを書いていきます。
会議は楽しい
一番のポイントはこれです。
会議は楽しくないものという先入観ってありませんか?
私はありました。特に私の業界は固い業界なので、会議は真面目に取り組まなければならず、楽しいものであってはいけないという、なんとなくそういう先入観がありました。でもこの本を読んでよくよく考えてみると、会議が楽しくないものである必要はないんだなぁと気付かされました。
みなさんの中にも、会議が楽しいと、勤務時間内で遊んでいるみたいでダメだ!という方もいるかもしれません。もしかしたら、会議で全然意見が出ずに決まらなかったことが、その後の飲み会ではみんなから活発に意見が出て、「なんでみんな会議で言わないんだよ~」という経験がある人もいるかもしれません。
ということで、非常識な会議というのは、これです。
非常識な会議 = 飲み会 - 酒 + 作品
まず、飲み会では楽しいですし(飲み会が好きではない人は、他のみんなでワイワイするものを想像してください)、みなさん活発に意見が出るすばらしい場だと書いています。ただ、酒が入るとまともな話ができないので、酒はマイナスにしています。
あとは、作品がプラスとなっていますが、飲み会ではその場の話題で楽しく話しているので、みんなで作り上げた結論とか、方針、合意などがないです。なので、何かしら成果物を作って次につなげようというのが、この話です。
ここで、「えー、成果物を出すってめんどうだし、結局会議は楽しくないじゃん」と思う人がいるかもしれません。そこで筆者は人間の根源的な喜びについて、大勢で何かを作り上げるということに人間は喜びを感じる、と言っていました。確かにそうかも。
主体性をもった会議
合意形成型会議とは?
上で書いた楽しいとつながりますが、会議が終わった後に、「よし、自分がやってやるぞ!」と各自が主体的にそう思えることが大事になってきます。
小難しくいうと、合意形成型会議です。
上の人から命令されるだけでは人間やる気が出ないものです。やらされている仕事はパフォーマンスが落ちますし、何より楽しくないですよね。
ちなみに別な本のレビューでも書きました。会議を語るうえでは外せないトピックなのかも。
合意形成型会議の反対として挙げられていたのが、多数決型会議。ここで勘違いしてほしくないのですが、多数決型会議と合意形成型会議のどちらが優れているっていう話ではないです。合意形成型会議では、メンバーの主体性をもたせるのにはよいですが、結論はすぐ出ないので時間がかかるという欠点があります。一方で多数決型会議は納得感は少ないものの、早く決定ができます。なので、使い分けが大事です。
どうすればいいの?
で、どうやって合意形成型会議を作るかって話ですが、ファシリテーターです。
ファシリテーターとは、会議の進行役でありますが、自分の意見は言わず、参加者の意見を引き出す役割を担います。一言でいうと、「影の合意形成支援者」と書かれていました。
具体的な特徴としては、こんなものが挙げられていました。
- 引き出す
- 支援する
- 誘導しない
- 自分を出さない
- 問いかける
- 中立
- 整理する
- 対等
- 教えない
- 答えをださない
こう書くとかんたんそうに思われますが、けっこう難しいです。
例えば、Aさんが意見を言って、ファシリテーターである自分が、
「それはいい意見ですね。他の方はどう思いますか?」
って言ってはダメです。いい意見って言っている時点で、自分の考えが入ってしまっています。この場合、
「Aさんが言っている~の意見について、他の方はどう思いますか?」
と聞かないといけません。奥が深いですね。
私は会議を仕切ることが多いのですが、あらかじめ結論が自分の中にあって、誘導してしまうことが多いです。そうしてしまうと、他の参加者としては納得感がないので、反省です。なんか最近自分の言うことが相手に響いていないと思った方は、振り返ってみるといいです。
とにかく相手の話を聴く
上でファシリテーターの特徴をいくつか書きましたが、一番大切なことはこれです。
とにかく相手の話を聴く
なんだよ、そんなことかよ、って思うかもしれませんが、筆者もここはかなり強調していました。
人の話を聴くというのは、すべての人間活動の基礎となるものです。
例えば、会社の営業マンであれば、お客様の話を聴くことが結果的に数字となって自分に返ってきます。
もちろん会社以外でもそうですよね。
でも、意外とこれできないんです。
例えば、何か提案書などをもっていき、
「君の提案は全然だね~」
って上司に言われたとします。このとき、多くの人は、
「いえ、その点はここで補えるので、問題はありません!」
などというかと思います。しかしこれでは、相手を聴いて受け入れることはできていません。
「なるほど。どういった点が足りないと考えていますか?」
といったように、まず反論するのではなく、相手の意見を受け入れることができるかが大事です。
他にもいろいろとテクニックが具体的に書いてあったので、気になる人は本を読んでみてくださいな。
非常識な会議を導入するには?
では実際に非常識な会議を組織の中で導入するときに、本当に導入できるの?変われるの?っていうことです。2点挙げていました。
①非常識な会議を導入するかは、組織の問題。なので、会議の問題なのか、組織の問題なのか、まずは切り分けが必要。
②スモールスタートで、自分がやって少しずつ広めていく。まずは会議終了時間の厳守から。
最後に
ということで、おすすめです。これから大きな組織を動かしていく人間としては、とてもためになりました。
気になる方はどうぞ。
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