目次
今日の本
じゃじゃん。これです。
管理会計 実践入門 (ベストプラクティス&ソリューション)(amazon)
感動した!人生変わった!まではいかないにしろ、家電量販店の具体的な話なんかも出てきて、学ぶところが多い本でした。
実務を大事にしている筆者だなぁという印象でした。
管理会計の分類
大きく分けて、この2つみたいです。まずこの分類から興味深いですね。
①分析手法
財務諸表分析、CF分析、設備投資判断、原価計算、予算編成、など。
「管理会計」って聞いたときは、こっちをイメージすることが多いのではないでしょうか。
②経営管理プロセス
実務に近い考え方で、本書はこっちの分類を採用しています。
中長期戦略・短期実施計画・実行統制といった分類です。
中長期戦略計画
要するに
一言でいうと、おおよその航海図。
会社がどの方向に向かっていくか、ざっくりと示したものです。
3つの障壁
これを挙げていました。
- 策定から実績まで長い
- 管理職がやるので学習機会少ない
- 会計というより、経営や経済学に近い
以上のような障壁がありますが、「じゃあ計画作らないや」ってなってしまうと、ただの作業者になってしまいますよって言っていました。その通りだと思います。
事例①:アマゾン
小売りでうまくいった事例として紹介。
ポイントは2つ。
- ぶれない中長期視点
- 会計上利益より、長期キャッシュフロー優先
利益は創業何年かは会計上赤字でしたが、徹底した長期視点とキャッシュフロー重視で、いまや世界を脅かすスーパー企業に成長しました。キャッシュフロー重視なので、財務諸表の順番を変えて、キャッシュフローを初めにもってきたらしいですよ。
事例②:ラオックス
小売りでうまくいかなかった事例として紹介。
2001年以降、売上高が激減。低価格・品揃えに勝るロードサイド家電量販店に負ける。
その背景には、ラオックスの中長期計画と戦略でジレンマがあったとのこと。不採算の撤退が大胆にできず。
具体例はこんな感じ。
- 売上重視するためにセグメント撤退できず。
- セグメント撤退できないと、リストラとか広告宣伝削減できないため効果が薄くなる。
- 結局、削減だけでは他社に勝てない。ロードサイド企業に対して根本的な戦略が必要。
中長期戦略計画まとめ
事例が紹介されていましたが、そこからわかることをまとめるとこうです。ふむふむ。
- 戦略は単純かつ具体的であるべし。詰め込むとダメ。
- 景気がよくないときが顕著に出る。悪いときは何をしないかが大事なので。
短期実施計画
要するに
管理会計で最もストレスたまる業務とのこと。
理想を語る中長期計画と、現実的な実行・統制の間の調整をしなければならず、板挟みになるきつい業務になります。
図にするとこんな感じでしょうか。
ポイントは、これはいろんな組織をまたいだ活動だという点です。組織で作成する財務・非財務情報は、他部門とも関連しているから実務の調整が難しいとのこと。
例えば、こんな感じです。開発部門が新製品リリースが遅れるという例。
このように、調整を「ああでもない、こうでもない」と繰り返して、現実的な計画まで落とし込みます。
実行・統制
いよいよ計画を実行していくわけなのですが、予期せぬ事態というのはいつでもあります。
これを防ぐためには、この2つが大事であると言っていました。
- KPI
- 原価低減活動
実行の話なので、そこまで難しい話は書いていませんでした。
まとめ
短期実施計画のたいへんさが実感できたのが個人的にはよかったです。ということで、どうぞ。
管理会計 実践入門 (ベストプラクティス&ソリューション)(amazon)
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