すばらしき本
いい本を読みました。丸善で立ち読みしていて、「これだ!」と思って買いましたが、正解でした。
私が固定資産の棚卸の業務をわかっていないこともあるのだと思うのですが、全体像や実務を把握するうえで、すばらしい内容でした。
流れるような章構成
もう、章構成がよいのですよ。
章の構成がよい本は、読んでて引き込まれますよね。
この本の構成はこれです。
各イベントごとに、現物管理なのか、会計税務なのか、どちらもの話なのか、という切り口で書いてあります。
棚卸管理で一番大事なこと
「現物」か「会計・税務」か、ちゃんと線引きすること、です。
例えば、現物管理で棚卸をする固定資産の単位と、会計上の固定資産計上の単位は異なることがあります。例えば、会計領域だと償却方法とか耐用年数がいっしょなので、同時期に買った資産を「〇〇機械一式」、といったようにまとめて計上することもありますが、あくまで棚卸の観点からすると一式ではなく個別なのです。
これをちゃんと区別して、「どういった要件を対応しなければいけないか?」という考えをもつことで、効率的で正確な棚卸・会計業務ができます。
もしこれができていないと、とりあえず細かい単位で管理しておけ~ってなり、資産の一式の話はもちろん、機械の型番、頻繁すぎるコンディションチェック、保険の情報もついでに管理しよう、とかいって、管理することが目的となった煩雑な運用が出来上がってしまいます。
こうして現場が回らなくなります・・・。なんでも管理すりゃいいって話ではないですからね。
管理することで、何をしたいか?というところが重要です。
正しい棚卸によって正しい財務数値となりますし、コンディションの情報なんかは修繕計画、設備投資計画、といった経営的な視点も出てきます。
システム化するにしても、複雑すぎると現場も使えないでしょうし、「どこまでやるか?」という決めが大事な領域だと、あらためて実感。
そのほかにもあれこれ書いてあったので、ぜひ気になる方は読んでみてください。棚卸で何を管理するかを決めてチェックシートに落としていくのもたいへんだなぁと思った次第です。
愛読書
けっこう前に固定資産の会計・税務について網羅的に書かれた本も買いましたが、セットでバイブルになりそうな予感。
「固定資産の税務・会計」完全解説 (第6版)(amazon)
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