たかが端数、されど端数
端数、地味に難しいですよね。
「まぁ端数くらいいっか」、と思ってしまいがちですが、税務の世界ではそれでは済まされません。
備忘もかねてケースごとの端数処理をまとめていきます。
短縮決算時の償却率
一般企業であれば、12カ月を決算期としているかと思います。
しかし、親会社の決算期と合わせるためなどで、短縮決算をすることがあります。
例えば、親会社が3月末決算、子会社が12月末決算の状態から、子会社が親会社に合わせて3月末決算にする場合は、こんな感じになります。
ここで話題に出てくるのが、短縮決算期間の償却費どうなるのさ?という点ですが、
短縮決算の月数分だけの償却費となります。
そりゃそうですよね。年間12万円の償却費だったなら、3カ月決算期の償却費は、
12万円÷12カ月×3=3万円
となります。イーズィー。
ここで端数の話ですよ。実は上の計算式は正確ではないので、詳しく計算してみます。
こう仮定しましょう。
———————————–
取得価額:120万円
償却方法:定額法
耐用年数:20年⇒償却率:0.05
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この場合、年間の償却費=取得価額×償却率なので、
120万×0.05=6万
です。
ここで法律ターイム!!
法令解釈通達/4 単体納税に係るその他の取扱い/事業年度が1年に満たない場合の償却率等
ここが大事です。
償却率又は改定償却率に当該事業年度の月数を乗じてこれを12で除した数に小数点以下3位未満の端数があるときは、その端数は切り上げる。
つまり、定額法の場合、こうなります。
償却額=取得価額×(償却率×短縮決算月数/12 ※端数処理あり)
実際に計算してみましょう。
償却額=120万×(0.05×3/12)
=120万×(0.0125)
=120万×0.013 ※端数処理!!!
=15,000
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